北条 裕子
未曾有の災害に襲われた町。 高校生のサナエは、幼い弟を連れて避難所に身を寄せていた。 混乱の中、押し寄せるマスコミの取材にねじれた高揚感を抱くサナエ。 だがいつまでも目を背け続けるわけにはいかない、いつか訪れなければならない場所があった。 強く、脆く、そして激しくーー 喪失の悲しみと絶望の底からの、帰還の旅路。 第61回群像新人文学賞受賞作